法人の確定申告

法人の確定申告

法人の確定申告期限

毎事業年度終了後2ケ月以内に、納税地の所轄税務署、都道府県税事務所、市町村役場に申告・納税する必要がある。

法人の税金
  個人の所得と同様、法人の所得に対しても税金は課せられる。
  具体的には、法人税、法人住民税、法人事業税などがかかる。

(法人の種類と課税範囲)
    ・普通法人(株式会社、有限会社、医療法人など)「全ての所得に課税」
    ・協同組合(農業協同組合、信用金庫など)「全ての所得に課税」
    ・人格のない社団等(PTA、同好会など)「収益事業による所得に課税」
    ・公益法人(宗教法人、学校法人、社団法人、財団法人など)「収益事業による所得に課税」
    ・公共法人(地方公共団体、NHKなど)「非課税」

個人と法人の税比較

個人の形態で事業を行った場合、事業上の所得は全て事業所得となり、その全てに所得税がかかる。

法人の確定申告一方、これを会社組織にすると、事業所得は、社長の給与所得と会社の所得とに分散される。
すなわち、社長の給与所得には所得税がかかり、会社の所得には法人税がかかる。
所得税は累進税率なので、所得を分散することにより高率の税率を回避することができる。
なお、自宅の一室を事務所として利用する場合、会社は、使用部分を合理的に計算して、家賃を支払うことができる

ただしこのとき、家賃をもらった個人は、不動産所得として確定申告をしなければならない。

また、個人事業の場合、妻や子供などの家族従業員に給与を支払うときは、事前に青色事業専従者としての給与の支給基準額を届けなければならない(しかも、白色申告では一定の金額しか認められない)。

 これに対して、会社形態であれば、その人の働きや会社の利益に応じて柔軟に支給額を決めることができる。

また、事業所得がマイナスになった場合、個人では、その欠損金(青色欠損金)の繰越控除期間は「3年」であるが、会社形態では「7年」となる。

同族会社

法人税法では、上位3つの株主グループの出資割合の合計が50%以上である会社を同族会社と呼ぶ。

出資上の中心人物と一定の関係にある人(例えば親族関係)は、1つのグループとみなされる。

同族会社では、会社を意のままに動かすことが可能になるため、一定の規制が設けられている。

会社が利益をあげた時、株主や役員へ配当金や賞与を支払うこともできる一方で、会社に貯めておくこともできる。

しかし、会社に蓄えられると、個人に対しての課税の機会が失われることになる。

このため、同族会社では、会社に留保(内部留保)された所得のうち、一定額を超える金額については、10〜20%の追加課税が行われるようになっている(これを留保金課税という)。

内部留保とは、会社の獲得した利益のうち、出資者に分配されなかった部分を意味する。

本来、会社の利益は、出資者のものであり、出資者に分配されるべきものである。

また、同族会社の場合、役員所有の土地を相場以上の価格で会社が買い取ったり、逆に会社所有の土地を廉価で特定の人に売却したりすることも可能である。

このため、法人税の負担が不当に減少する場合には、税務署長はその行為がなかったものとして法人税額を計算することができるようになっている(これを行為計算否認という)。

法人にかかる税金の種類
会社が納める主な税金には、

   ・法人税(国税)
   ・住民税(地方税)
   ・事業税(地方税)
   ・消費税(国税)
がある。

法人税は、会社の儲けに対して課される税金である。
  住民税には、
   ・法人税が生じている場合に課税されるもの(法人税割)
   ・法人税の有無に関係なく資本金の大きさ等に応じて課されるもの(均等割)がある。

事業税は、会社の行う事業に対して課される税金である(通常、儲けをもとに課税される)。

消費税は、会社が行う資産の譲渡やサービスの提供に対して課される税金(ただし、基準期間(通常2年前の事業年度)の課税売上高が1,000万円以下の場合は免除される)。

法人税

法人税の申告にあたっては、課税対象となる税法上の所得金額を計算しなければならない。

会計上の収益にあたる部分は「益金」、会計上の費用や損失にあたる部分は「損金」と呼ばれる。

法人税を算出する際の基準となる所得金額(所得金額×税率=法人税)は、「益金−損金」である。

この所得金額は、会社の損益計算上の利益とは異なる。

この利益は、商品の売上や預金利息収入などの「収益」から、商品仕入や諸経費などの「費用」を引いたもの(利益=収益−費用)として計算される。

つまり、赤字決算であっても税金がかかること(利益がマイナスで所得がプラス)はある。


(法人税の計算)
    所得金額×税率 + 特別課税額 − 税額控除額 − 中間納付額 = 最終納付額
    (特別課税は、例えば同族会社の留保金課税や、使途秘匿金に対する特別課税など)
    (税額課税は、例えば所得税額控除や、投資・リース税額控除など)
    (中間納付額は、事業年度が6ヶ月を超える会社が、事業年度の中間において納付した税金:確定年税額の前払分に相当する)

(税率:資本金1億円以下の会社の場合)
    ・年間課税所得「年800万円」以下の部分については、税率「22%」。
    (但し、平成21年度の税制改正で、平成21年4月1日から平成23年3月31日 までの間に
    終了する事業年度に限っての措置として「18%」の税率が適用 されます)
    ・年間課税所得「年800万円」を超える部分については、税率「30%」(ちなみに、資本金1億円超の会社も税率「30%」となる)。

住民税

住民税(地方税)は、国税である法人税をベースに計算される。

(法人税割)
   「法人税額×税率 − 利子割税 − 中間納付額 = 最終納付額」
  (利子割税は、法人が預金の利息を受け取る際に源泉所得税と一緒に控除された税金)
   (中間納付額は、事業年度が6ヶ月を超える会社が、事業年度の中間において納付した税金:確定年税額の前払分に相当する)

(法人税割の税率)
  「17.3%」:都道府県民税5%(制限税率6%)+ 市区町村民税12.3%(制限税率14.7%)
  (一般に、法人税額が年1,000万円超の会社は、地方自治体の裁量により、制限税率いっぱいの「20.7%」まで加重される)

(均等割)
  資本の金額や従業員数に応じた一定金額。

(均等割の金額)
・資本金「1,000万円」以下で従業員「50人」以下の会社については、都道府県民税「2万円」、市区町村民税「5万円」。

 ・資本金「1,000万円」以下で従業員「50人」を超える会社については、都道府県民税「2万円」、市区町村民税「12万円」。

・資本金「1,000万円」超「1億円」以下で従業員「50人」以下の会社については、都道府県民税「5万円」、市区町村民税「13万円」。

・資本金「1,000万円」超「1億円」以下で従業員「50人」を超える会社については、都道府県民税「5万円」、市区町村民税「15万円」。

事業税

所得に税率をかけて計算する。

(事業税の税率)
    年間課税所得「年400万円」以下の部分については、税率「5%」(制限税率1.1倍)。
    年間課税所得「年400〜800万円」の部分については、税率「7.3%」(制限税率1.1倍)。
    年間課税所得「年800万円」を超える部分については、税率「9.6%」(制限税率1.1倍)。

 (例1)所得500万円
   「400万円×5% + 100万円×7.3% = 27.3万円」

消費税

前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下の会社については、「免除」。

他の会社については、「課税売上に係る消費税額−課税仕入に係る消費税額」で計算される。