アーカイブス
Address
佐藤和仁税理士事務所
〒980-0811
仙台市青葉区一番町1-15-33
TEL 022-265-0231
法人決算日に注意
4月に入って年度も一新しましたが、震災復旧・復興は遥か遠くの道程の様相です。当事務所も電気・水道は復旧していますが、ガスは未だです。水道復旧したと言っても、実は、貯水槽に組み上げるモーターがイカれてしまったもので・・・、部品待ちの状態のためトイレに行くにはバケツが欠かせません。
さて、震災関連の税務については、震災特例関係の措置法が4月中に立法措置が取られる様子で、具体的なものはそれを待ってからということになります。ただ、過去の阪神淡路大震災の例等を見ると、個人については「災免法の還付措置」「雑損控除の適用」「被災事業用資産の損失の必要経費算入」を22年分所得に遡り適用が濃厚です。法人については「欠損金の繰戻還付」の複数年適用が考えられているようです。
このあたりの詳細については、はっきりした段階でまた記事にしようと思います。
ところで、現状は国税通則法11条の地域指定により、被災地(青森・岩手・宮城・福島・茨城の5県)に納税地を有する個人・法人のすべての税目の申告納付等の期限が自動延長されています。延長期限は「災害が止んだ日」から2カ月なのですが、「災害が止んだ日」が何時になるのかは現時点では発表されていません。
ここで注意すべきは「申告納付等の期限」が延長になっているのであって「決算日」が延長されているのではないことです。
個人の場合、所得税の計算期間は1月から12月です。そして、所得税の申告納税期限は翌年の3月15日、消費税については3月31日です。一方、法人は、法人自身が定款で定めた事業年度が計算期間になり、申告納税期限は事業年度末日から原則2カ月以内となります。この申告納税期限が自動延長されているのであって、事業年度末日(=決算日)が延長されているわけではありません。
ですから、棚卸資産だったり売掛金だったり買掛金だったり・・・の期末残高は、決算日に確定させる必要が当り前にあるのです。
多くの上場企業が株主総会を開くのは6月末位です。今年に関しては、震災の影響により総会日を後ろにずらしても会社法上問題ないとの見解が示されたのですが、これについても株主総会日が後ろにずらされるだけで、決算日はずれません。
震災による有形無形の影響はあると思いますが、法人の決算日については十分に注意した対応が必要です。
投稿者: 佐藤和仁 日時: 2011年04月01日 19:41