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佐藤和仁税理士事務所
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「お金を借りる」ことの意味とは
突然ですが、「お金を借りる(=借金をする)」ことの意味を考えたことがありますか?経営者の方であれば、「設備投資をするから」とか「運転資金が足りないから」とか「銀行が貸してくれるから」などなど・・・で借金をすると思います。個人なら、「住宅を購入するから」とか「車を買い替えるから」とか・・・かな。
これらは即ち、借金の「目的」ですね。つまり、なんらかの「目的」達成のために借金という「手段」を選択したと言えると思います。これでも十分に「お金を借りる」ことの意味づけになるのですが、もう少し考えを進めます。
その昔のクレジット会社のCM(確か、ジャックスだったと思うのですが・・・)での宣伝文句に「良いことは早く来い」というものがありました。私もクレジット会社にいた人間ですので、この言葉は良く分かります。欲しいもの(或いは、必要なもの)は今すぐ手に入れて、支払いは後からということです。
例えば、月収30万円の方が300万円の車を買うとします。この方、毎月の家賃やら食事代、被服費等の最低かかる生活資金を考えると、毎月手元に残せるお金が5万円だったとします。現金を貯めて車を買おうとすると、5年間待たないと買えません(300万円÷5万円=60ヶ月)。しかし、クレジットということで「借金」すれば5年間待たずとも手に入ります。その代り、(一般的には)金利をつけて何年間かかけて返済することになります(場合によっては5年間以上返済にかかることもあります)。
これ、見方を変えるとこういう風にも言えます。「金利を払うことによって(車を手に入れるまでの)5年間の時間を短縮することが出来た」ということです。そうです。「借金」することには「時間短縮」の効果があるのです。
事業を続けていくには「お金」は常について回ります。「血液」と表現することも出来ますし「兵糧」とも言えます。常に一定量の「お金」が無いと資金繰りに窮してしまいます。これ、底をついたら終わりです。入ってくる「お金」が、出て行く「お金」よりも多ければ、手元にお金は残ります。でも、その逆では残りませんね。当たり前のことです。
設備投資資金や運転資金などを手元の出入りのお金だけで賄えれば(無借金経営が出来れば)理想的かもしれませんが、ほとんどの中小企業では無理だと思います。お金を貯める間にビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。その「お金を貯める」時間を短縮するのが「借金」なのです。つまり「お金を借りる」とは、金利を払うことで「時間を買っている」と言えるのです。
勿論、返済原資は将来の収入になるのですから安易に「借金」をお勧めするわけではないのですが、事業の必要額に応じた借金は時間効率を良くしてくれます。陳腐な言葉ではありますが「タイム イズ マネー(時は金なり)」なのです。
投稿者: 佐藤和仁税理士事務所 日時: 2008年07月10日 13:37