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佐藤和仁税理士事務所
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お金の「善し」「悪し」とは?-「稼ぎ方」と「使い方」-
巷ではよく「綺麗なお金」とか「汚いお金」とか言われることがあります。「善いお金」とか「悪いお金」とかも・・・。この意味ってどういうことなのでしょうか?
結論から言ってしまえば、お金そのものに「綺麗」だの「汚い」だの、「善い」だの「悪い」だのはありません。紙幣としての10,000円は10,000円であって、それ以上でもそれ以下でもありません。当たり前のことですよね。
では、何を持って「綺麗」だ「汚い」だ、「善い」だ「悪い」だと言うのでしょうか?これは単衣にお金の「稼ぎ方」と「使い方」に関してのことなのです。
一時期、マスコミを騒がせた投資ファンドの代表の方はこう言いました。「お金儲けはいけないことなのですか?」いえいえ・・・決していけないことではありません。儲けて頂いてキッチリと納税という国民の義務を果たして頂ければ、国民経済の発展に繋がりますしね。でも、あの態度(と言うか、前後して伝わってくる儲け方)に「美」よりも「醜」を感じた方は多いと思います。
実は、これが一つ目のポイントです。お金の「稼ぎ方」の善し悪しで「善いお金」か「悪いお金」かが決まってくるのです。
話は変わりますが、バブル景気と言えばもはや20年も前の昔のことで、私の世代くらいまでは何とか恩恵があった・・・かな?(バブル景気は平成3年の夏がピークと言われていますので、ギリギリです)もっとも、当時の私は地方の大学生でしたので、東京の学生さんの派手さぶりや企業の異常な採用活動(この辺は「就職戦線異状なし」と言う映画を見ると良く分かります)とは距離感がありましたね。バブル時代のことは「バブルへGO」という映画も面白いですよ。あのころのハチャメチャ振りはたいしたもので、なんで学生がそんなに金を持っているのか?とか疑問にすら感じなかったようですね。
今となって見ると、決して綺麗なお金の使い方ばかりではなかったようです。周りがそうだったから「ありあり」だったような気がしてなりません。同じようなことは過去にあったようで、物語の世界(だけなのか?)では、炭鉱成金が薄暗い部屋で物を落とした時に、お金に火をつけて灯り替りにしたとかしないとか・・・。
真偽はさておき、お金の善し悪しを決める二つ目のポイントは、お金の「使い方」です。
私の仕事は、他人のお金の流れを入口から出口まで追い、そのお金に色をつけるのが仕事です。(ちなみに色というのは「収益」「費用」「資産」「負債」「資本」という5つの簿記上の取引のことです。)ですので、一般の方よりは他人のお金の「稼ぎ方」と「使い方」を多く垣間見ています。そのような経験則と、お金にまつわる文献的なものを研究してみると、「稼ぎ方が善い」と「善い使い方」に繋がるようですし、「稼ぎ方が悪い」と「悪い使い方」に繋がるようです。
ただし、何が「善く」て何が「悪い」のかは、個々人の倫理観・価値観と、その時々の時代の倫理観・価値観によって幅があります。(美意識としての「綺麗」「汚い」にも幅がありますよね。)この「善」「悪」の倫理観・価値観は、その人の生い立ち・育ち方・生き様を如実に反映しているのが分かります。
他人の「稼ぎ方」と言うのはなかなか見えません。しかし「使い方」は見えます。お金の「使い方」にその人のすべてが反映されていると言っても過言ではないかもしれません。
(ちなみに、ギャンブルで儲かったお金のことを「あぶく銭」といいますが、あれは偶然に儲けたから「あぶく」と言うのではなく、偶然に儲けたお金は「あぶく」のように使ってしまうから「あぶく銭」と言うのだそうです。これなんかもお金の「使い方」に着目した言葉なのですね。)
投稿者: 佐藤和仁 日時: 2008年07月18日 12:00