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佐藤和仁税理士事務所
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企業経営の常識と非常識
「お金儲けはいけないことですか?」と何時ごろかワイドショーを賑やかしていた時期がありました。別にいけないことではありません。ただこれを、企業経営の常識から照らすと儲けられるのは非常識なことです。「儲けられること=黒字」と置き換えてみると、黒字を出すことは非常識なことと言うことになるのですが・・・これあながち間違いではありません。
国税庁では各種の統計調査を公表しているのですが、その中に日本全国の法人についての統計調査資料があります。その調査資料によると、日本全国津々浦々、一部上場企業から街場の中小企業まで、およそすべての法人のうち黒字法人は3割ちょっとです。
さーて、この「3割」という数字・・・果たして多いでしょうか?少ないでしようか?まぁ3割ですから、10社法人があったとすると、そのうち黒字が3社で赤字が7社。3社のうち1社が黒字で2社が赤字・・・。とまぁ、これ以上やっても数字遊びの世界になってしまいますから辞めます。
例えば、プロ野球とかで3割バッターと言えば結構な強打者ですよねぇ。だいたい、各球団のクリーンナップを任されますよねぇ。ジャイアンツの4番の条件は「打率3割、本塁打30本、打点100打点」が最低条件だとか・・・。つまり、それだけ難しいと言うことですよね。
ですからやはり、企業経営においても黒字は難しいことなのです。常識を決めるのが多数決だとすると「企業経営は赤字が常識」ってことになります。だって、7割の法人が赤字な訳ですから。
つまり何を言いたいのか?それはこうです「会社経営やその業種業界で、常識と言われていることや思われていることをやっていたら黒字にはならない」と言うことです。だって常識は多数の話、企業の多数は赤字、ってことは黒字は非常識ということになるのですから。
巷で良く目にする本、経営学やら経営の法則など(「ドラッカー」とか「ブルーオーシャン戦略」とか「選択と集中」とかありますよね)は 、 企業の成功要因を分析して法則化していますけど、そもそもあれは「お勉強」の世界です。結果からみた評価と言い換えても良いでしょう。だから間違ってはいませんが、せいぜい参考程度に留めるべきです。重要なのは成功要因の分析ではなく敗因の分析です。昔から言うでしょ「勝ちに不思議の勝ち有り。負けに不思議の負け無し。」って。
まずは常識から脱却すること。それが出来て初めて黒字への道を歩むことが出来るのです。もっとも、皆が皆、黒字を目指している訳でもないのでしょうけど。
投稿者: 佐藤和仁 日時: 2009年02月04日 11:00