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税理士 佐藤和仁ブログ

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貸金業法改正の影響-資金繰りを悪化させる可能性

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改正された貸金業法は、来年の6月から完全実施されます。亀井金融相からも実施の延期や見直しは無いとの発言が出ていますので、もはや規定路線です。改正内容のうち柱となるのが、グレーゾーン金利の撤廃と融資金額の総量規制の導入です。まぁ、消費者金融をはじめとした過払い金(利息制限法の超過利息)返還訴訟が相次ぎ、多重債務問題の抜本的解決としてはコレしかないという感じなのですが、特に、今回の融資金額の総量規制は中小事業者の資金繰りに深刻な影響を与える可能性が大です。
 
融資金額の総量規制とは、一人に対する融資総額を年収の3分の1を限度とする規制です。例えば、年収が300万円の人であれば100万円までしか借入できないと言う話です。それも、1社であれ複数社であれ無担保融資金額の総額の上限と言う意味です。従来は、例えば、カードを数枚持つとか、ローンカードを数枚持つとか可能でした。各々の会社が与信枠というものを各々持っていますので、50万円の枠のカードが10枚あれば500万円を借入することが可能だったのです。ところが総量規制がかかればそれは出来なくなります。
 
実は、多重債務の問題が世間を騒がすたびに業界内では自主規制めいたものを行ってはいました。まぁ、あくまで自主規制ですので実行力は「?」なんですけどね。この業界団体というのが信販クレジット系、カード系、サラ金系と分かれていて、同じ無担保融資を扱っているにも係わらず足並みをそろえることはまずありませんでした。また、利用客の延滞情報や成約情報を漏れなく登録するというお題目の外部信用情報機関も信販・カード系、サラ金系、銀行系と分かれていて、その情報交流はありません。なによりも延滞情報や成約情報の登録は完全にはなされていないのが現状です。
 
しかし、今回ばかりは風向きが違います。私も以前にこの業界にいましたので、こういう動向はウォッチしているのですが、一部のクレジット会社では既に年収を証明する書類の提出をお願いしているところが出てきています。また、業界内の外部信用情報機関の統合の動きも出てきているようですし、登録する信用情報やその精度も以前に比べるとかなり厳密厳格になるようです。また、何社かの情報ソースのヒアリングからすると各社の本気度はなみなみならないようです。
 
さて、翻って、何ゆえ資金繰りに深刻な影響を与える可能性があるか?ですが、簡単に言えば社長個人の資金調達力が著しく低下するからです。会社で融資が受けられなかった場合、大概は社長個人が補填しますね。個人金融資産が潤沢にあれば話は別ですが、社長が「どっか」からか個人で借りてきて会社に貸すというのが実態ではないでしょうか?この「どっか」から借りるということが簡単にできなくなるのです。
 
あまり褒められた話ではないのですが、サラリーマンとか安定した職業の方が脱サラして起業するときに、在職中に作れるだけカードを作っておくという準備策があります。要は資金調達手段を確保しておくと言うことですね。カード会社の審査というのは、基本的に安定した給与所得があるかないか?を重視します。住宅ローンもそうです。はっきり言って個人事業主や中小企業の社長さんの審査はかなり厳しいです。ただでさえ中小事業者向け融資の地合が悪い現在の環境下で、改正貸金業法の融資額の総量規制は、中小事業者の命脈を絶つ可能性が否定できません。
 
では、コレに対する自己防衛策は何かあるのでしょうか?今のところ改正貸金業法の具体的な運用が見えて来ないので、コレだと言う物はありません。ですが、まずは、いざ鎌倉にそなえて融資を受けやすい地合を作っておくことです。これには、取引金融機関を複数社持ち、積極的に金融機関窓口に出向き、頼まれていなくても残高試算表を見せて、経営の状態や方向について良く話をしておくこと。といった地道な活動が必要だと思います。
 
金融政策で考えるなら、組合員を基本とした信用組合や信用金庫は金融検査の対象から外すべきでしょうね。まぁ、第二地銀も地域の無尽が起こりなわけですから、これも対象外として中小事業者の駆け込み寺的なものにするとかね。現在遡上にある返済猶予法案が可決・施行されても実行力はあまりなさそうですしね・・・。
 
最後に・・・、最近、数社の金融機関を営業中に良くローンカードの斡旋を受けます。私自身に対するものであったり、お客さんの紹介依頼だったり。以前から各銀行等は個人プロパー融資に力をいれているのですが、ここ最近は目を見張る?感じに見受けられます。実は、信販クレジット・カード・消費者金融は、どんどん大手銀行の系列化になっています。では、監督する金融庁はと言うと、銀行・証券・生保損保・その他の4部署で金融を監督しています。このへんの縦割りの影響なのか、銀行の無担保融資に対しては、(クレジット系やサラ金系に比較すると)あまり規制というのは考えていないようです。実際、銀行系の外部信用情報機関は絶対にクレジット系やサラ金系とは情報共有しないと思われますし・・・。作れるうちのローンカード?それも銀行系かな??

 

投稿者: 佐藤和仁 日時: 2009年11月10日 13:51


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