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佐藤和仁税理士事務所
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信頼を得るお金の払い方
以前にお金の「善い」「悪い」について記事にしたことがありました(お金の稼ぎ方・使い方で「善い」「悪い」が決まってくると)。今回は信頼感を得るためのお金の払い方について書きたいと思います。事業活動を行うにあたり「他人から信頼を得る」ことはとても大切なことです。こんなことは言わずもがなだと思います。では、どのようにしたら「信頼を得る」ことができるのでしょうか?
ありきたりなことかも知れないですが「約束事を守る」ということが一番です。約束した時間を守る、約束した納期を守る、約束した支払期限を守る・・・。こういう当たり前のことの積み重ねが大切です。しかし、そういう積み重ねもやり方一つで大きく印象付けることが出来ます。ことに「支払期限を守る」ということ。これは事業を行っていく上では必須条件ではないでしょうか。
この「支払期限」。即ち「何時何時までにお金を払う」という約束事ですが、だいたいの場合は月の10日、20日、月末と言った単位で締めて、翌月の10日とか20日とか月末。或いは、翌々月の10日、20日、月末に支払うというような取引条件であると思います。この時の支払の約束事で信頼感を得るには簡単なことです。兎に角「早く」払うことです。通常の取引の流れであれば、見積書 → 納品書 → 請求書 → 支払い のような感じでしょうか、で、請求書が来たら即払う、これだけで信頼感は相当にあがります。支払の当事者を入れ替えて(つまり、自分が納品した側になって)考えるとこれほどありがたいことは無いですよね。事業にとっての血液とも言うべき「お金」が売掛金として滞留することなく即入ってくるわけですから・・・。
でも、資金繰りの関係などがあり、なかなか「即、支払う」というのは難しいと思います。そこで、支払期日が金融機関の休業日である土・日・祝祭日にあたった場合に「前営業日に支払う」ということをやられてみてはどうかと思います。この場合は、約定日よりもせいぜい2日~3日早く支払うだけなのですが、信頼感は格段にあがります。一般に、支払日が金融機関の休業日にあたった場合に、前営業日に支払うのか後営業日に支払うのかは取引当事者間で決めることです。特に取り決めない場合は後営業日だと思います(ちなみに税務の世界では、申告や納税の期限が休日に当たる場合は後の平日が該当日になります。クレジットの支払や、融資金の返済なども後営業日が多いと思います)。それを、頼まれなくても前営業日に支払う。ほとんどの取引業者が後営業日に支払う中、この僅かな差の積み重ねは相手に相当の信頼感を与えます。これもご自身に置き換えて考えれば納得がいくのではないでしょうか。
相手の信頼感というのはお金では買えません。また、信頼感は一度しくじると後でいくらお金を積んでも回復出来ません。お金の使い方がその人の人となりを表すように、お金の払い方がその人に対する信頼感を生み出します。そして「人」に対する信頼感が、ひいては「組織」に対する信頼感に繋がっていくのです。
キャッシュフロー(資金の流れ)を重視した経営では、キャッシュの効率をいかに良くするかが求められるのですが、コレ実は簡単です。「売掛金・貸付金等の債権は極力早期に回収し、買掛金・借入金等の債務は極力返済を引き延ばす」ということになります。キャッシュの効率も大切なのですが、効率を求めるあまり信頼を失うこともありますので、何事もホドホドに。
投稿者: 佐藤和仁 日時: 2008年09月01日 04:04